Dysmenorrhea
月経困難症
子宮の内腔(妊娠中胎児が入る空間)は、子宮内膜という組織で覆われています。
その子宮内膜が、本来あるべき場所以外に存在する状態を、子宮内膜症と呼びます。
現在のところ原因は不明で、予防法もありません。
月経困難症
月経痛(生理痛)が強く、日常生活に支障をきたす状態を月経困難症といいます。痛みが強いため鎮痛薬が必要であるとか、日常生活に支障がでるような場合は月経困難症と言ってよいでしょう。腹痛、腰痛、悪心・嘔吐、頭痛、食欲不振などがよくある症状です。月経困難症には2種類あり、ホルモンバランスの変化による機能性月経困難症と、子宮筋腫や子宮内膜症のような病気が原因となる器質的月経困難症があります。治療法としては、鎮痛薬の服用、ピル、漢方薬、黄体ホルモン製剤、偽閉経療法等があります。
また、適度な運動や規則正しい生活なども骨盤内の環境を改善することで症状がよくなる場合があります。痛みを我慢してもよいことはありません。気軽にご相談いただけたらと思います。
また、月経の7−14日前から、いらいらしたり頭痛がひどかったりする症状のある方は月経前症候群(PMS)である可能性があります。大きく分けて精神的症状と身体的症状があります。月経がくると症状が消失しますが、生活の質に悪影響を与えます。原因はよくわかっていませんが、ホルモンバランスの変化によるものと言われています。こちらの症状もピルや漢方薬、抗うつ剤の投与などで改善されることがあります。一人で悩まずご相談下さい。
主な症状
特徴的な症状(PMS)
・精神的症状
いらいら、ゆううつ、落ちつかない、身内の人に八つ当たりする、怒りっぽい、情緒不安定、集中できないなど。
身体的症状:肌荒れ・にきび・頭痛、むくみ。眠気・不眠・下腹部のはり、腰痛など。
・身体的症状
肌荒れ・にきび・頭痛、むくみ。眠気・不眠・下腹部のはり、腰痛など。
生理痛のタイプ
機能性月経困難症:女性ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の変化によって痛みを起こす物質(PG)が産生されます。この変化をブロックするのが、鎮痛剤やピル・黄体ホルモンです。漢方薬も正常に近い状態に骨盤内の環境を近づけてくれますので、症状が緩和します。
緩和法や対処法(月経困難症)
・ 鎮痛剤:アセトアミノフェンやNSAIDsといった鎮痛薬はプロスタグランジンの産生を抑える働きがあります。それにより痛みが改善します。
・ ピル:排卵を抑制することにより、黄体ホルモンなどのホルモンバランスが整えられて生理痛や過多月経、月経前症候群(PMS)の抑制効果があります。
・ 黄体ホルモン:子宮内膜症での疼痛に対して効果的です。
・ 漢方薬:当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸などが代表的な処方です。骨盤内の環境を改善することによって生理痛や過多月経を軽減する効果があります。
緩和法や対処法(月経前症候群)
・ピル:排卵を抑制することにより、黄体ホルモンなどのホルモンバランスが整えられて生理痛や過多月経、月経前症候群(PMS)の抑制効果があります。
・抗うつ薬:SSRIやSNRIといった抗うつ薬を用いると、幸せホルモンとの異名を持つセロトニンの濃度が上がり、精神的に不安定な状態が改善します。
・漢方薬:当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸などが代表的な処方です。骨盤内の環境を改善することによって生理痛や過多月経を軽減する効果があります。